■一番多いご質問

「何回通えば鉛筆を正しく持つことができますか?」

これまでの いろは塾での指導経験に基づきお答えします。

個人差はありますが 年齢別に ご説明いたします。

「鉛筆が正しく持てるまで」の期間についてのお話しです。(「きれいに字が書けるまで」の回数ではありません。)

 

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~このページの流れ~

 

【1】なぜ上手に持てないのでしょう
      ↓
【2】上手に持つために大事なことは何でしょう
      ↓
【3】以上をふまえて質問にお答えします
      ↓
【4】年齢別に詳しくご説明します
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まず・・・   
【1】なぜ上手に持てないのか考えてみましょう

 

多くの皆さんは、「正しい鉛筆の持ち方」といえば、“幼稚園や小学校に入った時に教わればできるようになるはず”とお考えだと思います。
“それなのに、なぜ何度注意しても持てないのだろう・・・”とお悩みの方がほとんどなのではないでしょうか。

昔に比べ手先を使う機会が減った現代の子どもたちは、どんどん器用さが失われてきています。
例えば、水道の蛇口をひねる経験が少ないことからも、指先の操作性が低下し、手首をまわす動作が苦手になってると想像できると思います。

そんな中、幼稚園や学校では「しっかりと!濃い線で!」と、絵でも字でも筆圧の高い書き方が求められます。
となれば、子どもたちは鉛筆をギュッと握りしめ、手の中でしっかり安定させて上手に書こうと努力します。

また、その一方で、保護者の方からいつも聞くのは、“ノートやテストの字が、薄くて雑で、グチャグチャなんです…”というお声。

それもそのはずです。
強く握りしめたり指が反り返るほど力を込めて書き続けたら、手が疲れるからです。
でも軽く持とうにも、鉛筆をコントロールすることができません。

要は・・・
入学時に「正しい持ち方」を教えてもらっただけでは、まだ鉛筆を持つ手が育っていない一年生は、すぐに上手に持てるようにならないのです。
(もちろん、低学年でも最初から器用に持てるお子さまはいろは塾にもいらっしゃいますが、ごく少数です)

むしろ、皆があきらめかけた10歳以上のほうが体の成長に伴い手指の操作性が向上しているので比較的習得しやすいということが、いろは塾の指導の中で新たにわかってきました。

大切なのは発達に応じた練習方法です。

多くの方はこのことに気付かないまま、低学年なのに「一度ついたクセはもう直らない!」と思い込んでしまい、「高学年になったのでもう遅い!」と練習する機会も得られず、あきらめてそのまま大人になってしまうのではないでしょうか。

私もその一人で、「握り持ち」のまま大人になりました。
また教室開設当時は、持ち方の指導は難しすぎると思い込んでいました。

ですから、子どもたちも、保護者の方々も、大人になって持ち方で悩んでいる皆さんも、どうかあきらめないでほしいのです。

 

 


それでは・・・
【2】上手に持てるようになるために大事なことって何でしょう?

 

「正しく鉛筆を持つ」だけであれば、誰でもすぐにできますが、「正しく持ちストレスなく自由に書ける=完全定着」まで身につけるには、大人でも子どもでも時間と根気が必要です。

私の場合、ある程度普通に書くことは1か月程度でできるように なりましたが、ストレスなく自由にペンを使いこなすまで完全に定着させるには1年くらいかかりました。その後うっすらとした違和感も数年続きます。
参考【36歳でペンの持ち方を変えた講師の話】

鉛筆の持ち方は、“何回通ったからできるようになる”というものではなく「手で物をつかむ」機能や「指先で物をつまむ」機能の発達に伴い上達していくものです。

大人の方も、指先の力の入れ方のコツや感覚を新たに身につけるにはそれなりに時間がかかります。
上達するには、家・学校・職場でも意識し続け、根気よく練習し慣れていくこと(=自主練習)が大切です。

特にお子さまに必要なのは、鉄棒・ジャングルジム・砂場・ブロック等、手をよく使って遊ぶことです。
体の機能の基礎ができると手先の操作性がアップするといわれています。

いろは塾では指先の力を鍛え、手首の柔軟性を高めるトレーニングに力をいれております。

 

 


【3】以上をふまえてご質問にお答えいたします

 

=質問=
『何回通えば鉛筆を正しく持つことができますか?』


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=回答=
数回のレッスンだけでの「定着」は難しいです。

10歳以上で2~5回程のレッスンでコツを覚えられれば“意識すればできる”ようになります。

その後、完全に定着する(いつでもストレスなく自由に書ける状態)までレッスンを継続(通塾)していただくか、家で自主練習を続けます。

途中で持ち方がわからなくなってしまう方が多いので、その後1回だけでも自主練習の成果をチェックするためにお気軽にお越しください。

自分ひとりでの練習が心細い方は、定着するまでいろは塾で一緒に練習していきましょう。
字もきれいに書けるようになります。
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※回数・効果は年齢などにより大きく異なります←重要!!
詳しくは下記【4】年齢別の詳しい説明 をご覧ください

 

※コツについて
いろは塾の<持ち方指導>では、ご自分では気付きにくい「姿勢」と「鉛筆の持ち方・手指の動かし方」のコツをアドバイスしています。
ご参加くださった多くの方から“今まで本やインターネットなどを参考にして、正しい持ち方に挑戦したものの上手くいきませんでした。やはり直接教えてもらうと、自分ではわからない点に気付けるので、思いきって申し込んでよかったです。”という感想をいただいております。

 

 


それではさらに
【4】年齢別に詳しくご説明します


持ち方の練習をがんばっているいろは塾の皆さんの様子をお伝えします。

回数はあくまでも目安です。受講のスケジュールの参考になさってください。
これまで「持ち方の習得」を目的としたレッスンには60歳代までの方々がご参加くださっています。

 


【就学前:幼児】-----------------
※就学前のお子さまは現在募集しておりません→全身運動でたくさん遊び身体をつくることをおすすめしています

 

●レッスン中は正しい持ち方ができる時もありますが、安定感がなく書きにくそうです。
●家では自己流のほうが書きやすいのでどうしても戻ってしまうようです。
●手・指先の力が弱いため、「定着」は難しいです。

 


【小学校:低学年】-----------------

 

●レッスン中は正しい持ち方で書けることもあります。が、まだ安定感がありません。
●家や学校では自己流のほうが書きやすいのでどうしても戻ってしまうようです。
●まだ「定着」は難しいので、“意識すればできる”ようになることを目指していきます。

※「意識すればできる」ことと「やろうとしてもできない」こととは大きく違います。完璧にできないからといってあきらめないことが大切です。この時期に適切なトレーニングをくり返すことで正しく持つために必要な筋力を鍛えることができます。さらに、安定した筆記姿勢を目指します。

●「通塾」しながら「正しい持ち方を忘れない」ようにします。

※この時期の注意点
幼児期は指先で軽く上手に持てていたのに入学後に握り持ちに変わったり、指が反り返るほど力をこめるようになる場合があります。
 <理由>入学して書く量が急増するので無理に力を入れてしまい、筋力の発達にとともにかえって自己流に拍車がかかるため、と考えています。

 


【小学校:中学年】-----------------

 

●手の運動機能が発達してくるので、練習を始める時期に適しています。
●コツを理解し“意識すればできる”ようなるまで5回以上はかかります。
●10回以上のレッスンで「やや定着」すると家や学校での「自主練習」も可能になってくるようです。
●正しい持ち方のほうが指がよく動いてハネ・ハライ等が書きやすいことがわかってきます。
●低学年より続けてきたお子さまは、努力が実を結び始めます。

※年長、一年生から月1~3回通塾したお子さまが地道なトレーニングを続けた結果、10歳を過ぎた頃から姿勢、持ち方が安定し、適切な筆圧できれいに字が書けるようになっております。

●「通塾」しながら「正しい持ち方を忘れない」ようにします。さらに「完全定着」を目指します。

 


【小学校:高学年】-----------------

 

●手の運動機能が発達してくるので、練習を始める時期に適しています。
●コツを理解し“意識すればできる”ようになるまで2~5回程かかります。
●10回程のレッスンで、「ほぼ定着」し、家や学校での「自主練習」が可能になるお子さまが多いです。

※「ほぼ定着」=意識すればでき、書きやすさも実感できる

●正しい持ち方のほうが指がよく動いてハネ・ハライ等が書きやすいことを実感できます。
●「通塾」または「自主練習」で「完全定着」を目指します。

 


【中学生~大人】-----------------

 

●長年にわたる自己流の持ち方の状態により、「定着」までの時間はさまざまです。
●「持ち方」「動かし方」のコツを2~5回くらいで理解し、“意識すればできる”ようになれば「通塾」または「自主練習」で「完全定着」までがんばることができます。

※中学生/高校生は効果大!実はおすすめの時期です
筆記の力が充分についているので、持ち方の習得と同時になめらかに書く方法を身につけることができます。手に負担をかけずに長時間筆記するには、持ち方だけでなくなめらかなペン運びができなければなりませんが、教えてもらえる機会はほとんどありません。
“速く書けないので授業に追いつけなくて困ってます”
 “手が疲れて論述試験の勉強ができないんです”
などのお悩みも多くきかれます。
中学生からラクラク筆記ができれば人生の可能性も広がります。